Fallsheeps -Eureka-
このレビュー記事は少々昔に私に割り当てられていました。そしてこれを書くにあたり、その日にすぐ一周は聴かせていただいておりました。サウンドは素晴らしくカッコよく、しかしどこか悲しくなってしまい、すぐには文章にできず寝かせていたのです。すみません。
いくらか経った今日、陰鬱にインターネットをフラフラと徘徊しているとこのバンドのライブ動画に出会いました。あなたのふとした日常の黒いモヤも切り裂いてくれるのはこのバンドかもしれません。
冷静に言葉で説明すると、懐かしさと共に革新を図られた音源だと思います。今どきのオルタナシーンで十分に流行するであろう分かりやすさと親しみがあるものの、優しく暗く内向的であり、それでいて希望も見える。色んな気持ちで色んな人に聴いてもらいたいです。
Reviewed by Amane Yamada
およそ3年ぶりとなるフルアルバム "Eureka" をtomoranからリリース。
バンドはこれまでに幾度となく変化を重ね、4ピースから3ピースへと編成をシフト。本作ではその変化が音像にも反映され、よりソリッドで研ぎ澄まされたサウンドが印象的な12曲を収録されている。
前作 “Dunk” で見せたアプローチから一転し、今作ではミニマルな表現が際立ち、冷えた鉄のような質感を持つ楽曲が並ぶ。
00年代のギターロックを踏襲しながらも、決してノスタルジックにとどまらず、新たなロックの形を模索し続けるバンドの姿勢が鮮明に刻まれている。
ダンサブルなビートと折り重なるコードワークが雪景色を描く M2 "snowyyy"、デッドな質感と閉塞感が交錯する M4 "逃げたい"、開放的な感情とその裏にある揺らぎを描いた M7 "よすが"、そしてバンド初のインストゥルメンタルとなる M10 "snowyyy-" など、アルバム全体を通して独自の世界観を確立。
1. 2025
2. snowyyy
3. SLEEPill
4. 逃げたい
5. iai
6. わたしたちのみどり
7. よすが
8. 乱気
9. re:lay
10. snowyyy-
11. 手向の詩
12. Eureka


